(国分町たにた内科・循環器内科|仙台市青葉区・内科/循環器内科)
寝ている間に呼吸が止まる・弱くなる状態が繰り返される病気です。代表的ないびきの原因で、朝のだるさや日中の強い眠気、集中力低下につながります。放置すると高血圧、動脈硬化、心不全、不整脈、脳心血管イベントのリスクも高まることが知られており、早めの検査と適切な治療が大切です。
当院では、自宅でできる検査からCPAPまで一貫してサポートいたします。
1. どんな病気?(やさしい定義)
睡眠中、上気道(のど)が狭くなる/ふさがることで空気が通りにくくなる「閉塞性」が大半です。脳からの呼吸指令が弱くなる「中枢性」もあります。重症度は「無呼吸低呼吸指数(AHI)」で評価し、頻度が多いほど体への負担が大きくなります。

2. 原因とリスク要因
睡眠時無呼吸症候群の原因は主に以下のものが挙げられます。
- 肥満・首まわりの脂肪、扁桃肥大、下あごが小さい骨格などで気道が狭くなる
- 飲酒(就寝前のアルコール)や仰向け寝で悪化しやすい
- 加齢・男性・閉経後に増える傾向
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症など生活習慣病との関連が深い
- 鼻づまり・アレルギー性鼻炎、睡眠不足、不規則な生活
3. 主な症状・気づきのサイン
- 大きないびき、無呼吸の指摘(家族に「息が止まっている」と言われる)
- 朝の頭痛・熟睡感がない、起床時の口の渇き
- 日中の強い眠気、集中力低下、仕事や運転への不安
- 夜間の頻尿、夜中に何度も目が覚める、記憶力の低下 など
4. 診断の方法(当院の検査フロー)
睡眠時無呼吸症候群の検査・治療方法についてです。
Step 1|医師の問診・診察
いびき・眠気の状況、生活習慣、併存症(高血圧など)を丁寧に確認します。必要に応じて簡単なスクリーニング(眠気の質問票など)を行います。
Step 2|自宅での睡眠検査
- 簡易モニター:検査会社からご自宅へ機器を発送して行います。装着はシンプルで、一晩の呼吸・酸素の状態を測ります。仕事や育児で忙しい方でも実施しやすいのが特長です。
- PSG(終夜睡眠ポリグラフ):より詳しく評価したい場合に実施します。在宅で実施できるタイプのご案内と、連携病院での一泊検査の両方をご用意しています。医師が適切な方法をご提案します。
Step 3|結果説明・治療方針のご提案
結果は医師がわかりやすくご説明し、生活習慣の工夫から機器治療まで最適な選択肢をご一緒に決めます。
5. 治療の方法
① CPAP(シーパップ:経鼻的持続陽圧呼吸)
気道(喉の中の空気の通り道)がつぶれないよう一定の空気圧を送り続ける治療で、閉塞性SASの第一選択です。

期待できる効果:いびき・無呼吸の改善、日中の眠気軽減、朝の血圧や夜間低酸素の改善、長期的な心血管リスクの低減など。
当院でのサポート:
- 機器の初期設定と最適なマスク選び(鼻マスク/フルフェイス等)
- 鼻づまり・口の乾燥に対する加湿器の活用や薬物治療
- 機器の使い方指導、データ確認と定期フォローで継続をサポート
- 使い心地に合わせた圧設定の微調整やマスク交換の相談
*CPAPを行う場合は基本的には毎月の受診をお願いしております。
② 口腔内装置(マウスピース)
「スリープスプリント」とも呼ばれます。軽症〜中等症の一部で選択肢になります。睡眠時無呼吸症候群の治療を行っている歯科をご紹介し、下あごを前に出す装置で上気道を保ちます。CPAPが合わない場合の代替としても検討します。
保険診療で作成する場合は、当院からの診療情報提供書が必要です。
③ 生活習慣の改善
- 減量(首まわりの脂肪減少が効果的)
- 就寝前の飲酒を控える/仰向け寝を避ける
- 鼻炎治療や就寝環境の整備、規則正しい睡眠リズムこれらはCPAPの効果を高め、再発予防にも役立ちます。
6. 放置するとどうなる?
未治療のSASでは、高血圧の悪化、心不全や不整脈の発症・再発、動脈硬化の進行が懸念されます。日中の眠気による労働・学業パフォーマンスの低下や、うとうとによる事故リスクの増大も問題です。
7. 当院でできること(仙台市青葉区・国分町)
- 問診、診察、スクリーニング、検査手配、治療まで行うことが可能です。手順は検査会社から検査機器をご自宅へ発送。精密検査は在宅/連携病院のいずれかを医師が適切と判断した方法を提案します。
- CPAPの導入・継続管理は当院で実施:マスク合わせ、圧設定、使い方のコツ、定期データ確認まで必要に応じて丁寧にサポートします。
- 口腔内装置(マウスピース)は適切な歯科へ紹介いたします。
- 当院としての強み:高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病管理、心不全・不整脈の合併症評価も一緒に行い、全身のリスクを総合的にケアします。また、院長は睡眠時無呼吸症候群を専門としてクリニックでの勤務経験があり治療方法をご提案します。
よくある質問(FAQ)
Q. CPAPは毎日使わないとだめ?
A. 使うほど効果が出やすく、眠気・血圧・いびきの改善が期待できます。旅行や出張でも継続できるよう、装着のコツや乾燥対策までお手伝いします。
Q. いびきだけでも受診して良い?
A. はい。いびき=SASとは限りませんが、強い・途切れる・昼間の眠気がある場合は要注意。まずは診察をしたうえで自宅でできる検査から行います。
Q. 痩せたら治りますか?
A. 減量はとても有効です。ただし体質や骨格の影響もあり、検査で現状を把握したうえで最適な方法を組み合わせるのがおすすめです。
受診の流れ・ご予約
- 診察予約
- 問診・必要な検査のご提案
- 自宅検査(発送)またはPSG(在宅/連携病院)
- 結果説明
- 治療開始(CPAP/マウスピース/生活改善)
このような流れで進みます。
検査結果に応じて、「異常なし」、「生活指導」、「マウスピース治療」などの治療をのを提案することもあります。
簡易検査で「中等症」から「重症」の睡眠時無呼吸症候群を疑う場合は精密検査に進みます。
精密検査の結果で「CPAP治療」か「マウスピース治療」などを選択します。
CPAPの設定、マスクの種類などを決定します。
問題なく使用できているか、継続して使用できているか、不具合が無いかなどをチェックしていきます。