新しい肺炎球菌ワクチン「ニューモバックス」について

目次

肺炎球菌ワクチンについて

現在、日本の成人に使われている肺炎球菌ワクチンは、主に

キャップバックス®(21価肺炎球菌結合型ワクチン)
ニューモバックス®(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)の2種類です。

それぞれの特徴と、どのような方に勧められるかをご説明します。


キャップバックス®(21価肺炎球菌ワクチン)について

特徴

キャップバックスは、2025年10月に導入された新しい肺炎球菌ワクチンです。

21種類の肺炎球菌型に対応しており、日本人の成人で近年増えている型を多く含むように設計されています。

結合型ワクチンは「T細胞依存性免疫」を誘導するため、免疫が長く続きやすいとされています。

また、新しい血清型(15A・23A・35Bなど)にも対応しており、従来のワクチンでは防ぎきれなかった型への効果も期待されています。

成人の侵襲性肺炎球菌感染症(重症の感染症)に対しては、約8割の型をカバーしていると報告されています。

対象となる方

  • 65歳以上で、これまでに肺炎球菌ワクチンを受けたことがない方
  • 心臓・肺・腎臓などに慢性疾患をお持ちの方
  • 糖尿病やがん治療などで免疫が低下している方
  • 過去にニューモバックスを接種してから1年以上が経過した方

注意点

定期接種などでニューモバックスなどその他の肺炎球菌ワクチンを接種され、キャップバックスを追加接種する場合は、前回の接種から1年以上の間隔をあける必要があります。


ニューモバックス®(23価肺炎球菌ワクチン)について

特徴

ニューモバックスは、長年使われてきた実績のある肺炎球菌ワクチンです。

65歳での定期接種ではこちらが使用されます。

23種類の肺炎球菌の型(血清型)に対応しており、幅広い型の予防効果が期待できます。

1回の接種で効果が得られ、免疫はおよそ5年程度持続します。

ただし「T細胞非依存性」という仕組みのため、繰り返し接種しても免疫が強化されにくいという特徴があります。

対象となる方

  • 65歳以上の方(定期接種の対象) 仙台市をはじめ多くの自治体で、年度ごとに対象者へ公費負担(自己負担あり)での接種が実施されています。
  • 持病のある方 心臓病、慢性呼吸器疾患、糖尿病、腎臓病などをお持ちの方にも勧められています。

注意点

ニューモバックスを再接種する場合は、5年以上の間隔をあける必要があります。

過去にキャップバックスなどの結合型ワクチンを接種している場合は、1年以上の間隔をあけることが推奨されています。


ニューモバックス®とキャップバックス®の違い


キャップバックス®(21価結合型)ニューモバックス®(23価ポリサッカライド)
ワクチンの種類結合型ワクチン(T細胞依存性免疫)ポリサッカライドワクチン(T細胞非依存性免疫)
カバーする肺炎球菌の型(血清型)21種類(日本に多い型を広く含む)23種類(古くから使われる代表的な型を含む)
免疫の仕組み記憶免疫が働き、長期的に効果が続きやすい一時的な免疫で、時間とともに効果が減りやすい
効果の持続期間長く続く(1回で長期効果が期待される)約5年程度
主な対象高齢者・基礎疾患のある成人(任意接種)65歳以上(定期接種の対象)
重症感染症(侵襲性肺炎球菌感染症)へのカバー率約80%(日本の成人データ)約50%前後(近年は減少傾向)
発売時期2025年発売の新しいワクチン長年使用されている
特徴のまとめ日本で流行する型に対応し、免疫が長く続く幅広い型をカバーするが、効果はやや短め

どちらを接種すればよいですか?

どちらのワクチンも肺炎や重症感染症を防ぐ効果があります。

それぞれに特徴があり、どちらが適しているかは年齢・持病・過去の接種歴によって変わります。

  • 初めて接種する65歳以上の方 → 公費で接種できる ニューモバックス® が対象です。
  • より新しい型までカバーしたい方、持病のある方 → キャップバックス® が適しています。
  • 過去にニューモバックス®を接種して数年経過している方 → 医師と相談のうえで キャップバックス®の追加接種 を検討できます。

当院での接種について

当院では、成人の方を対象に

キャップバックス®(21価肺炎球菌ワクチン)
ニューモバックス®(23価肺炎球菌ワクチン)の両方を扱っています。

それぞれの特徴を踏まえ、年齢・持病・これまでの接種歴を確認したうえで、最適な接種方法をご提案します。

基礎疾患のある方や、過去の接種歴がはっきりしない方も、診察時にお気軽にご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 肺炎球菌ワクチンを打てば、肺炎にかからなくなりますか?

完全に防げるわけではありません。

ただし、肺炎や敗血症、髄膜炎などの重い感染症を予防する効果があり、かかった場合も重症化を防ぐことが期待できます。


Q2. キャップバックスとニューモバックスを両方打つ必要はありますか?

両方を同時に接種する必要はありません。

ただし、種類の違うワクチンを時期をずらして接種すると、より広い型をカバーできる場合があります。

医師が過去の接種歴を確認し、適切な間隔で組み合わせをご提案します。


Q3. ワクチンの副反応はありますか?

接種部位の腫れ・赤み・痛みが出ることがありますが、通常は数日で治まります。

まれに発熱や倦怠感を伴うこともありますが、重い副反応は非常に少ないとされています。


Q4. どのくらいの間隔で打ち直す必要がありますか?

ニューモバックスは約5年ごとに再接種が可能です。ただし、再接種による効果は限定的と考えられています。

キャップバックスは1回の接種で長期間の効果が期待され、再接種は現時点では一般的に行いません。

接種の間隔は、過去の接種状況に応じて医師が判断します。


Q5. 他のワクチン(インフルエンザ・コロナなど)と同時に接種できますか?

同時接種も可能ですが、副反応の原因などがわかりにくくなるので別での接種をおすすめします。

体調やワクチンの種類によって判断が異なるため、診察時にご相談ください。


まとめ

  • 肺炎球菌感染症は、高齢者や持病のある方で重症化しやすい感染症です。
  • キャップバックス®は近年流行している肺炎球菌の型にも対応した最新のワクチンです。
  • ューモバックス®は長年使われてきた実績のあるワクチンです。
  • どちらも肺炎や重症化を防ぐために接種が勧められています。

ワクチンの在庫状況や接種費用、公費の対象になるかどうかは時期によって異なります。

詳しくは当院スタッフまでお気軽にお問い合わせください。

接種希望の際には予約が必要となります。お電話または受診された際にご相談ください。


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