仙台での「特定健診」の内容・検査、準備、予約について
特定健康診査は、生活習慣に着目した健診のことで、問診、身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査などを行います。

特定健診で実施する項目について解説いたします。
特定健診の基本的な項目
特定健診の主な目的は、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる「メタボリックシンドローム」の兆候を早期に見つけることです。それぞれの項目には、健康状態を知るための重要な意味があります。
1. 質問票(服薬歴、喫煙歴等)
現在の治療状況や生活習慣を確認します。
特に喫煙は血管に強いダメージを与え、動脈硬化を加速させる最大の要因の一つです。
過去の病歴と照らし合わせ、将来の病気のリスクを総合的に判断します。
2. 身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)
肥満度を測定します。
- BMI: 肥満度や体格指数と言われます。25以上が肥満とされます。
- 腹囲: 内臓脂肪の蓄積具合を測ります(男性85cm、女性90cm以上が基準)。内臓脂肪が多いと、血糖値や血圧を上げる物質が出やすくなり、血管トラブルの引き金となります。
3. 理学的検査(身体診察)
医師が直接、眼、顔色や皮膚の状態、むくみの有無、胸の音(心音・呼吸音)、腹部の所見を診察します。
数値だけでは分からない体の異変や、心不全の兆候などを五感でチェックする大切な検査です。
4. 血圧測定
血管の壁にかかる圧力を測ります。高血圧は自覚症状がほとんどありませんが、放置すると血管が硬くなり(動脈硬化)、心肥大や腎不全、脳卒中のリスクを高めます。
5. 脂質検査(中性脂肪、HDL、LDL)
血液中の脂質のバランスを調べます。
- LDLコレステロール: 「悪玉コレステロール」。増えすぎると血管の壁に溜まり、動脈硬化を進めます。
- HDLコレステロール: 「善玉コレステロール」。血管に溜まった余分な油を回収する役割があります。
- 中性脂肪: エネルギー源ですが、増えすぎると悪玉コレステロールが増え、善玉コレステロールが減りやすくなるとされています。
空腹時または食後10時間以上経過してからの検査がおすすめですが、難しい場合は食後の時間を考慮したうえで結果の判断をします。
6. 血糖検査(空腹時血糖 または HbA1c)
血液中の糖分の濃度を調べ「糖尿病」のリスクを評価します。
- 空腹時血糖: 検査時点の血糖値。
- HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー): 過去1〜2ヶ月の平均的な血糖状態を示します。
糖尿病は血管をボロボロにする病気であり、早期発見が非常に重要です。
空腹時での検査がおすすめですが、難しい場合は随時での検査も可能です。
7. 肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP)
肝臓の状態を調べます。
特定健診では特に「脂肪肝」のチェックが重要です。内臓脂肪が溜まると肝臓にも脂肪がつき、それが炎症を引き起こすことがあります。もちろん、脂肪肝以外の肝疾患のチェックにもなります。
8. 検尿(尿糖、尿蛋白)
尿の所見から腎臓の状態を調べます。
- 尿糖: 血糖値が高いと尿に漏れ出します。(お薬の影響の場合もあります。)
- 尿蛋白: 腎臓のフィルター機能が壊れていないかを調べます。高血圧や糖尿病が進むと、最初に尿蛋白として異常が現れることが多いため、腎臓の「SOS」を見逃さないための検査です。
高血圧や糖尿病の結果として出現することがあります。さらにその他の腎臓病が原因となることもありますので陽性になった場合は原因を調べていくことになります。
尿蛋白については生理的蛋白尿といって、病気ではない健康な人でも出現することがあります。
詳細な健診項目
基本的な項目に加えて詳細な項目についても検査を行います。

1. 心電図検査
心臓の拍動に伴う電気的な活動を波形として記録します。不整脈(心房細動など)や心肥大、狭心症などの兆候を見つけるための不可欠な検査です。
特に循環器専門医である当院では、この波形から読み取れる「隠れた心臓のSOS」を注意深くチェックします。
2. 眼底検査
瞳孔の奥にある網膜の血管などを観察します。眼底の血管は、体の中で唯一「生きたまま直接見ることができる血管」です。ここの血管の状態を調べることで、高血圧や糖尿病による動脈硬化が全身でどの程度進んでいるかを推測する大きな手がかりとなります。
*当院では実施できませんので眼科医院を受診いただきます。
3. 貧血検査(赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値)
血液の赤い成分です。血液が臓器に酸素を運ぶ能力を調べます。
- 赤血球数・ヘモグロビン値: 血液の濃さや酸素運搬能力を示します。
- ヘマトクリット値: 血液全体に占める赤血球の割合を調べます。 貧血はふらつきや息切れの原因になるだけでなく、心臓に過度な負担をかけ、心不全を悪化させることもあるため、循環器の観点からも見逃せない項目です。
低下する原因として出血や腎不全、女性の場合は過多月経などが考えられます。
状態に応じて、検査の追加や適切な診療科へのご紹介を行います。
4. 血清クレアチニン検査
血液中の老廃物の一種を測定し、腎臓の「ろ過能力」を調べます。
腎臓と心臓は密接に関係しており(心腎連関)、一方が悪くなるともう一方も悪くなる性質があります。血圧の影響を最も受けやすい腎臓の機能を数値化することで、将来の透析リスクだけでなく、心血管病のリスク管理にも役立てます。
「特定健診」受診までの流れについて
前日の夜10時以降は飲食を控え、当日は絶食(糖分を含まない水・お茶は可)でお越しください。
- 仙台市から届いた「受診券」
- マイナンバーカード(または資格確認証)
- お薬手帳(服用中の方)
身体計測から採血などの検査、診察のご案内をします。
後日、医師が結果を丁寧に解説し、今後のアドバイスを行います。
よくある質問(FAQ)
「数値の異常」を「安心」に変えるために
健診の結果、基準値を少し外れただけでも「これからどうなるのだろう」と不安を感じる方は少なくありません。
特定健診の本当の目的は、病気を見つけることではなく、将来の大きな病気を未然に防ぐことにあります。
当院では、循環器専門医が一人ひとりの結果を丁寧に分析し、医学的根拠に基づいた「これからの健康維持に向けた具体的なアドバイス」を直接お伝えします。
