肺炎球菌ワクチンについて(プレベナー20、ニューモバックスについて)

肺炎球菌は、肺炎、気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎などの原因となる細菌です。
特に高齢の方や、心臓・肺・腎臓などに持病がある方、糖尿病のある方、免疫が低下している方では、肺炎が重症化したり、血液や髄液に菌が入り込む「侵襲性肺炎球菌感染症」を起こしたりすることがあります。

肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による感染症や重症化を防ぐためのワクチンです。
すべての肺炎を完全に防げるわけではありませんが、重い感染症を予防するために大切なワクチンです。

現在、成人の肺炎球菌ワクチンとしては、主に以下のワクチンが使われています。

  • プレベナー20®(20価肺炎球菌結合型ワクチン)
  • キャップバックス®(21価肺炎球菌結合型ワクチン)
  • ニューモバックス®(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)

なお、2026年4月1日より、高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種で使用されるワクチンは、従来のニューモバックス®からプレベナー20®へ変更されました。

当院では、定期接種としてのプレベナー20®と、任意接種としてのキャップバックス®を中心に、年齢・持病・これまでの接種歴に応じてご相談を承っています。

目次

プレベナー20®について

プレベナー20®は、20種類の肺炎球菌の型に対応した「結合型ワクチン」です。
2026年4月1日から、高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種で使用されるワクチンになりました。

結合型ワクチンは、免疫の仕組み上、しっかりした免疫反応が得られやすく、免疫の記憶が残りやすいことが特徴です。
定期接種として使用されるプレベナー20®は、1回の筋肉内接種で行います。

定期接種の対象となる方

仙台市の定期接種では、主に次の方が対象です。

  • 接種日時点で65歳の方
  • 60歳以上65歳未満で、心臓・腎臓・呼吸器の機能などに一定の障害がある方
  • ヒト免疫不全ウイルスにより免疫機能に一定の障害がある方

ただし、過去に肺炎球菌ワクチンの定期接種を受けたことがある方は、定期接種の対象外となる場合があります。
対象になるかどうかは、接種券や自治体からの案内をご確認ください。

仙台市の定期接種について

仙台市では、2026年度の高齢者肺炎球菌ワクチン定期接種は、2026年4月1日から2027年3月31日まで実施されています。

自己負担金は8,000円です。
市民税非課税世帯、生活保護世帯などに該当する方は、自己負担金が免除される場合があります。免除の対象となる方は、事前の申請や必要書類の提示が必要になることがあります。

キャップバックス®について

キャップバックス®は、21種類の肺炎球菌の型に対応した肺炎球菌結合型ワクチンです。
成人の肺炎球菌感染症予防を目的として開発された新しいワクチンで、日本人成人で近年みられる肺炎球菌の型を広く含むように設計されています。

キャップバックス®は、定期接種ではなく任意接種のワクチンです。
公費助成の対象ではない場合、自費での接種となります。

キャップバックス®が検討される方

次のような方では、キャップバックス®の任意接種を検討することがあります。

  • 65歳以上で、肺炎球菌ワクチンの接種を希望される方
  • 心臓病、慢性呼吸器疾患、腎臓病、糖尿病などの持病がある方
  • 免疫が低下する病気や治療を受けている方
  • より幅広い型への予防を希望される方
  • 過去にニューモバックス®を接種してから一定期間が経過している方

過去に肺炎球菌ワクチンを接種したことがある方では、接種するワクチンの種類や間隔を確認する必要があります。
接種歴が分かるものがあれば、受診時にお持ちください。

ニューモバックス®について

ニューモバックス®は、23種類の肺炎球菌の型に対応した、長年使われてきた肺炎球菌ワクチンです。

これまで高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種として使用されてきましたが、2026年4月1日から、定期接種で使用されるワクチンはプレベナー20®へ変更されました。

過去にニューモバックス®を接種したことがある方は、次にどのワクチンを接種するか、どの程度の間隔をあけるかを確認する必要があります。
接種歴が不明な場合も、診察時にご相談ください。

有効期間と再接種について

プレベナー20®とキャップバックス®は、どちらも「肺炎球菌結合型ワクチン」と呼ばれるタイプのワクチンです。
結合型ワクチンは、免疫の仕組み上、体に免疫の記憶が残りやすく、1回の接種で長期的な効果が期待されます。

以前から使われてきたニューモバックス®は、効果がおおむね5年程度とされ、必要に応じて5年以上の間隔をあけて再接種を検討するワクチンでした。
一方で、プレベナー20®やキャップバックス®は、現時点ではニューモバックス®のように「5年ごとに繰り返し接種する」ワクチンではありません。

ただし、プレベナー20®やキャップバックス®の予防効果が具体的に何年続くかについては、今後のデータの蓄積を見ていく必要があります。
そのため、当院では「1回の接種で長期的な効果が期待されるが、必要な接種方法は年齢・持病・過去の接種歴に応じて判断する」とご説明しています。

過去にニューモバックス®を接種したことがある方や、接種歴がはっきりしない方では、接種するワクチンの種類や接種間隔を確認する必要があります。
接種済証、お薬手帳、自治体からの案内などがあれば、受診時にお持ちください。

プレベナー20®とキャップバックス®の違い

プレベナー20®キャップバックス®
ワクチンの種類20価肺炎球菌結合型ワクチン21価肺炎球菌結合型ワクチン
接種区分定期接種で使用任意接種
接種回数定期接種では1回通常1回
接種方法筋肉内注射筋肉内注射
有効期間1回接種で長期的な効果が期待されます1回接種で長期的な効果が期待されます
再接種現時点では、5年ごとの定期的な再接種は一般的には行いません現時点では、5年ごとの定期的な再接種は一般的には行いません
カバーする型20種類の肺炎球菌の型に対応21種類の肺炎球菌の型に対応
特徴2026年4月から高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種で使用成人の肺炎球菌感染症予防を目的とした新しいワクチン
費用対象者は公費助成あり、自己負担あり自費接種
主な対象65歳の定期接種対象者、60〜64歳で一定の基礎疾患がある方など定期接種の対象外で接種を希望する方、基礎疾患のある方、より広い予防を希望する方など

プレベナー20®とキャップバックス®は、どちらも結合型ワクチンであり、1回の接種で長期的な効果が期待されます。
大きな違いは、プレベナー20®が定期接種として使用されるワクチンであること、キャップバックス®は任意接種として選択されるワクチンであることです。

また、含まれる肺炎球菌の型にも違いがあります。
キャップバックス®は21種類、プレベナー20®は20種類の型に対応していますが、単純に「数が1つ多いから必ず優れている」というわけではありません。
実際にどの型が流行しているか、年齢、持病、過去の接種歴、公費助成の対象になるかどうかを踏まえて選ぶことが大切です。

どちらを接種すればよいですか?

肺炎球菌ワクチンは、年齢や持病だけでなく、過去にどのワクチンをいつ接種したかによって選び方が変わります。

65歳で定期接種の対象となる方は、自治体の案内に従ってプレベナー20®を接種するのが基本です。
一方で、定期接種の対象ではない方や、基礎疾患がある方、任意接種としてより幅広い予防を希望される方では、キャップバックス®を検討することがあります。

「以前に肺炎球菌ワクチンを打った気がするが、種類や時期が分からない」という方も少なくありません。
その場合は、接種済証、自治体からの案内、診療情報、お薬手帳などを確認しながら、適切な接種方法を一緒に検討します。

副反応について

肺炎球菌ワクチンの接種後には、接種した部位の痛み、赤み、腫れ、腕のだるさなどがみられることがあります。
また、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛などが出ることもあります。

多くは数日以内に自然に軽快します。
ただし、強いアレルギー症状、息苦しさ、全身のじんましん、強い体調不良などがある場合は、速やかに医療機関へご相談ください。

発熱している方、急性の病気にかかっている方、過去にワクチンで強いアレルギー反応を起こしたことがある方は、接種できない場合があります。

他のワクチンとの同時接種について

インフルエンザワクチンや新型コロナワクチンなど、他のワクチンと同時接種が可能な場合もあります。

ただし、接種後に発熱や倦怠感などが出た場合、どのワクチンによる反応か分かりにくくなることがあります。
当院では、体調や接種予定、患者さんのご希望を確認したうえで、同時接種にするか、日程を分けるかをご相談しています。

当院での接種について

当院では、成人の肺炎球菌ワクチン接種についてご相談いただけます

定期接種の対象となる方にはプレベナー20®を、任意接種を希望される方や基礎疾患のある方にはキャップバックス®を中心に、これまでの接種歴を確認しながらご案内します。

接種をご希望の方は、事前の予約が必要です。
ワクチンの在庫状況や接種費用、公費助成の対象になるかどうかは時期によって異なりますので、お電話または診察時にご相談ください。

よくある質問

Q1. 肺炎球菌ワクチンを打てば、肺炎にかからなくなりますか?

完全に防げるわけではありません。
肺炎の原因には、肺炎球菌以外の細菌やウイルスなどもあります。

ただし、肺炎球菌による肺炎や、敗血症・髄膜炎などの重い感染症を予防する効果が期待できます。
特に高齢の方や持病のある方では、重症化予防のために大切なワクチンです。

Q2. 2026年4月から何が変わったのですか?

高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種で使用されるワクチンが、ニューモバックス®からプレベナー20®へ変更されました。

対象者の考え方は大きく変わっていませんが、使用するワクチンと接種方法が変わっています。
65歳で定期接種の対象となる方は、自治体の案内に従ってプレベナー20®を接種します。

Q3. プレベナー20®やキャップバックス®は、何年くらい効果が続きますか?

プレベナー20®とキャップバックス®は、どちらも結合型ワクチンであり、1回の接種で長期的な効果が期待されます。
ただし、効果が具体的に何年続くかについては、今後のデータの蓄積が必要です。

以前から使われてきたニューモバックス®のように、5年ごとの定期的な再接種を前提としたワクチンではありません。
接種の必要性は、年齢、持病、過去の接種歴を確認したうえで判断します。

Q4. プレベナー20®とキャップバックス®は、どちらがよいですか?

65歳で定期接種の対象となる方は、自治体の案内に従ってプレベナー20®を接種するのが基本です。
一方で、定期接種の対象ではない方や、基礎疾患がある方、任意接種としてより幅広い予防を希望される方では、キャップバックス®を検討することがあります。

どちらが適しているかは、年齢、持病、接種歴、公費助成の対象になるかどうかによって異なります。
迷う場合は、接種歴が分かるものをお持ちのうえでご相談ください。

Q5. キャップバックス®とプレベナー20®を両方打つ必要がありますか?

すべての方が両方を接種する必要はありません
年齢、持病、過去の接種歴、公費助成の対象になるかどうかによって判断します。

過去に肺炎球菌ワクチンを接種している場合は、接種間隔の確認が必要です。
接種歴が分かるものをお持ちの方は、診察時にご持参ください。

Q6. 以前にニューモバックス®を接種しました。もう一度接種できますか?

過去の接種時期や、今後どのワクチンを選ぶかによって判断が変わります。
ニューモバックス®を接種したことがある方では、次回接種までの間隔を確認する必要があります。

接種歴が不明な場合も、診察時にご相談ください。

Q7. 副反応が心配です。

接種部位の痛み、赤み、腫れ、発熱、だるさ、頭痛、筋肉痛などが出ることがありますが、多くは数日以内に自然に軽快します。

強いアレルギー症状や息苦しさなどがある場合は、すぐに医療機関へご相談ください。
過去にワクチンで強い副反応があった方は、接種前に必ずお知らせください。

まとめ

肺炎球菌感染症は、高齢の方や持病のある方で重症化しやすい感染症です。
肺炎球菌ワクチンは、肺炎や重い感染症を予防するために大切なワクチンです。

2026年4月1日から、高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種は、ニューモバックス®からプレベナー20®へ変更されました。
また、任意接種としては、成人向けの新しい結合型ワクチンであるキャップバックス®も選択肢となります。

プレベナー20®とキャップバックス®はいずれも、1回の接種で長期的な効果が期待される結合型ワクチンです。
現時点では、ニューモバックス®のように5年ごとに繰り返し接種するワクチンではありません。

どのワクチンが適しているかは、年齢、持病、過去の接種歴によって異なります。
接種をご希望の方、過去の接種歴が分からない方、持病があり接種を迷っている方は、お気軽にご相談ください。


当院ではワクチン接種をご希望される方は電話でのご予約をお願いいたします。
特に肺炎球菌ワクチンはご依頼があってから入荷しますので、直接ご来院いただいても当日は接種できませんのでご注意ください。

公開日:2025年11月13日
更新日:2026年6月16日

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